ヒロシコ

 されど低糖質な日日

映画館に行くというと「お金があるんだね」と言われることが多いという話に僕も同意する

togetter.com

はてなブックマーク経由で読んだ。読んだというかTogetterのまとめ記事なんだけど。ブックマークコメントも含めてフムフムという感じでまとめ読み。大本のツイートはこちら。 

ま~ったく同意です。要は限られたリソースをどこに割くかという問題だけで、お金があるとかないとか贅沢かそうじゃないとかそういう問題ではないと思うのだ。なのに実際は上のツイートのように言われることがホントよくあって正直辟易する。というか、がっかりする。

僕個人の話に落とし込むと、だいいち僕は煙草も飲まないしお酒は家でも外でもほぼほぼ飲まないし、とくべつグルメでもないし、競馬競輪パチンコなど賭け事の類にはいっさい手を出さないし、ファッショにも興味なし。旅行にはこの何年も行ってない。あ、ちなみに風俗にも行かない。

映画の他に趣味と呼べるものはせいぜい本を読むことくらいで、それだってけっして多読な方ではないから本代に(kindleですが)それほどお金を当ててるわけでもないのだ。あとはたまに美術館へ行くことくらいかなあ。コーヒーは好きだからコーヒーチェーンやコーヒースタンドには比較的よく行くけどね。

でも煙草っていま一箱いくらくらいするんだろうね。500円弱くらい? だとすると一日一箱吸うとして一週間で3500円だから映画を正規の料金(大人1800円)で約2本見られる計算になる。そっちの人の方が、つまり煙草を日常的に嗜む人の方がよほどお金持ちってことだ。

前述したとおり僕自身もコーヒをよく飲むからアレだけど、コーヒー一杯300円として勘定しても毎日外でコーヒー飲めばそれだけで一週間に2100円。週に一度は映画館へ通ってお釣りがくる。お酒なんて安い居酒屋さんで飲んだとしても、コーヒー代じゃきかないものね。競馬は毎回予想が当たれば、まあなんというか、あえてなにも言わないですが。

いや、だからそういうのも個人の趣味嗜好だから迷惑さえかからなければ他人がとやかくいうことじゃなくって、それぞれのフィールドで各人おおいに楽しめばいいだけの話なのだ。週に一度映画館に通ったっていったいなんだっていうのか?

それに @ponpon_2501 さんがいうように、会員割引とかサービスデーを利用すれば1000円そこそこで映画1本見られるのだ。僕も仕事の休みがファーストデー(毎月1日)と重なればともかく映画館へ行くし、奥さんと見たい映画が一致すれば夫婦割りを利用する。映画館によっては曜日ごとのサービスデーがあったり、ポイントを集めて一回無料で見られるところもある。

日ごろからそういうお得情報をチェックし、最大限洩らさず利用するオレ偉いでしょ、と悦に入ってるわけじゃないけどさ。そうじゃないけど、できるだけ好きな映画をたくさん見たいから、それなりの努力や倹約は欠かさないようにはしているのだ。だって僕の家の隣に映画館があるわけじゃないので、交通費だって実際のところバカにならないし。

それに映画館行ったからってポップコーン買ってコーラ買って、なんて僕はまあしないから。シネコンは売店以外の売り上げのほとんどが劇場には入らない仕組みらしいけど、こっちも限られた予算で勝負してる身なので申し訳ないと思いつつポップコーンは買わないで済ます。パンフレットもいまはめったに買わなくなった。欲しいのはやまやま。ネットの公式サイトでだいたいのことが読めるようになったというのも大きい。

そんなわけで僕もほぼ毎週映画館へ行くけど、けっしてお金があるわけでも贅沢しているわけでもないのです。そこをわかってください。これでもがんばって倹約してるんですから。映画どころか食べるものも着るものも満足にないギリギリの生活なんだよ、という人は確かにいるのはわかる。そういう人からすれば「お金あるんだねえ」になるのは、これはまあしょうがない。

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ちょっと話が逸れるが、そもそも僕の周りには映画を映画館で見るものだと思ってる人がいるのかしら、というくらい映画館に行く人が絶望的にいない。「お金あるんだねえ」のリアクションのなにが悲しいって、見当ちがいや勘違いよりも、とにかくリアクションが薄い、会話が一瞬でフリーズしてしまうことの悲しさにつきるだろう。

僕以外の他の人はじゃあふだんどんな話をして盛り上がっているかというと、案の定競馬の話。あとお酒の話。カラオケに行くとか行かないとか、ゲームの話も多いかなあ。僕は残念ながらゲームもしないしカラオケにも行かないしお酒も飲まない競馬もしない。自慢じゃないけど競馬の馬券というものを生まれてこのかた一度も買ったことがないのだ。

パチンコは以前はかなり売り上げに貢献させてもらったけれど、すっぱり足を洗ってもう20年以上になる。煙草もおなじく。かつての職場では車の話とゴルフの話がほとんどすべてだった。僕はそのどちらにもまるで興味がなくていつもひとり蚊帳の外だった。周りからしたらむしろ僕の方が、面白みのない喰えないやつということになるのだろう。

世の中には映画サイトや読書サイトなんていうのがあって、みなさん活発に情報交換したり意見や感想を忌憚なく言い合ったりして楽しんでいるようだ。あれ、でも実は全部架空の話なんじゃないかとさえ僕はときどき勘ぐりたくなる。ほんとうはサイトに集う人なんて誰もいなくて、全部ひとりの人が自作自演しているのではないかと。その疑念を払拭するため、いわば生存確認作業として僕は映画館に行くのかもしれないですね。

それくらい僕の周りにこれまでリアルな映画ファンという人がほとんどいたためしがなかったのだ。いやいやそんなことないでしょ、という人は、きっと恵まれた環境にいるんだと思いますよ。それとも僕が逆に恵まれてこなかっただけなのでしょうか。

そんなふうだから毎週休みの日に映画館へ映画を見に行くというと、お金に余裕がある人は違うねえと、からかわれたり冷やかされたりする。でも僕は、「だって僕はお酒飲みに行かないし、煙草も飲まないし」とは言わない。「競馬にも興味がないし」と言わない。なぜだかそれを言っちゃうといろいろな意味で詰んでしまう気がしてぐっと言葉を飲み込む毎日だ。

「よく映画館に行く」といったら、せめて「どんな映画が好きなの?」とか、「最近どんなの見た?」くらいは聞いてもいいんじゃないの、とは思うけど、先方にしたって興味がないことを深掘りするほど暇じゃないだろうし、お互いそれもなんかしんどいですしね。それにしたって嘘でもいいから、「あ、いいねえ」くらいは言えよ大人なんだから、とやんわり思う日々なのである。