ヒロシコ

 されど低糖質な日日

チキンライス島日記その12 / 花火大会

チキンライス島 8月2日(日)

花火大会。8月は毎週日曜日の夜7時から花火大会がある。今夜がその第一回目。みんなで案内所前の広場に集まって夜空を見上げた。しずえさんから光るスターアクセサリーを貰い、それを被っての花火見学。つねきちさんの屋台も出ていた。屋台では「いなりくじ」というのが1回500ベルで引けるというので僕も列に並んだ。引いたのは6番くじで、景品はかざぐるまだった。微妙。いなりくじはさすがにもう1回で充分かな?

さっきはみんなで集まって、というふうに書いたけども、実際には花火大会に集まって来なかった人(リッキーさんとヴァヤシコフさん)もいたのだ。とたけけさんのライブには全員集まったのに。あるいは僕と入れ違いに帰ったのかもしれない。ともかく誘いがてら家を訪ねてみたら部屋の明かりが灯っていた。中に入れてもらったけど結局ただ世間話をして帰るというね。別に花火の話題が出るわけでもなく、僕からもあえてその話題に触れず。

例えばみんながみんな花火大会に興味があるわけじゃないように、それぞれやりたいこと、やらなければならないことがあるわけで、チキンライス島では住民同士お互い何かを強要したりされたりというのがないようにしたいなあと思う。でも気がついたら住民、増えた。僕とキャンベラさんとヴァヤシコフさんの3人で初めてこの島に移住してきたのがまるでつい昨日のことのように思える。これも別に強要するわけじゃないけど、出来たらみんなでまたパニーさんの島のスタジオで集合写真撮れたらいいなあ。

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チキンライス島  8月3日(月)

夕べは遅くまで花火大会に参加したから今日はやけに眠い。魚釣りにでも行こうか浜辺に向かって歩いていたら、キャンベラさんが走りよってきて、僕に新しい呼び名(ニックネーム)をつけたという。どんなの? と訊くと、「ヒロボン」だって。なんか、しっくり来ない。気に入った? とキャンベラさん。悪いけど「ううん」と正直に答える。じゃあどんな呼び名がいいの? とまた訊かれ、「ヒロシコ」と僕。「なんだ、そのままがいいのか」とキャンベラさんもようやく納得してくれた。

 

チキンライス島 8月4日(火)

ヴァヤシコフさんから神妙な顔で相談があると言われ、聞けば、なんでも心機一転この島を出て行こうかと悩んでいると打ち明けられる。自分が求めるもののために新しい刺激が必要かもしれないと考えているふうだ。よもやヴァヤシコフさんがそんなことを考えているとは思いもよらなかった。毎日顔を合わせていてどれだけ鈍感なんだ僕は。一昨日の花火大会に参加しなかったのもそういう理由があったんだなあ。

キャンベラさんと僕と3人で一緒にこの島に移住してきて、最初の夜のキャンプファイヤーで島の名前をチキンライス島にしようと多数決で決めた仲間だものね、ヴァヤシコフさんは。頼りない島民代表の僕を、いつも隣で支えてくれた。ここは痩せ我慢してでもかっこよく、応援するよ、と言えればよかったのだろうが、いやそう言うのがきっと正解だったのかもしれないけど、結局僕は、行かないでよ、と返すのが精一杯だった。

せめてもう少しだけ、島が発展するまではそばで見届けて欲しいと思った。ヴァヤシコフさんはヒロシコがそう言うのならやっぱり島を出ていくのはやめるよ、と言ってくれた。でも、本当にこれで良かったのかなあ……。