ヒロシコ

 されど低糖質な日日

チキンライス島日記その7 / タヌキ商店オープン

チキンライス島 7月20日(月)

しばらく忙しくしていたのでなかなかまとまって日記を書く余裕がなかった。一日一行でもいいからその日にあったことはその日のうちに記録しておきたい。あとになって思い出して書くのはとても骨が折れる作業だというのが骨身に染みてわかった。

で、この数日、僕がいったいどこで何をしていたかというと、リアルな意味での骨が折れる作業に忙殺されていた。順番は前後するが、例えばチキンライス島で最初の橋を架ける作業のお手伝いとか。タヌキ商店開店準備のお手伝いとか。それからDIYではしごを作ったり、新しい住民を受け入れるための準備をしたりと、まさに骨身を惜しんで働いた。

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島内の川で隔たった場所へ行き来するための橋の完成は、ある意味全住民の悲願だった。微力ではあったが今回僕もその力になれたことがなにより誇らしい。夜の遅い時間ではあったが、たぬきちさんがセレモニーを開いてくれたのでよろこんで参加させてもらった。ヴァヤシコフさんとキャンベラさんも駆けつけてくれて、たぬきちさんを含めた4人で記念写真に納まった。

はしごを作るDIYのレシピをたぬきちさんから教えてもらったときはうれしかったなあ。たかがはしごといっても、高い崖の上に登ったり降りたり、時には滝の流れる川のすぐそばにかけたりと、文字通り命を預ける道具なわけだから、作るのだって自然慎重にならざるを得ない。少しでも頑丈でそれでいて持ち運びしやすいものをと、欲を言い出せばキリがないのだ。

それにしてもたぬきちさん、はしごのDIYのレシピもそうだけど、知ってる情報を小出しにしすぎ。ケチなんだから。そういうレシピがあるならあるで、はじめから教えてくれてもいいのにねえ。まあ良い方に解釈すれば、僕がまだ無人島生活になれないうちからあれもこれもになると、頭がこんがらがっちゃわないかと心配したのかも知れない。実際そういう配慮だっのだろう。悪い人ではなさそうだもの。ともかくこれで(少々まどろっこしさはあるものの)島内に行けない場所がなくなった。

あとはなんだっけ。そうそう、タヌキ商店がいよいよオープンした話だ。まめきちさんとつぶきちさん双子の兄弟に頼まれ、店の場所決めから建築資材の調達に至るまで成りゆきで僕が任されることになった。いきなり責任重大。場所はあれこれシュミレーションした結果、申し訳ないけどここは僕の利便性だけでうちのお隣さんに決める。さいわい土地も空いてたし(そりゃあつい数日前までは無人島だったんだもの)、案内所がある広場にも近い。

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絵に描いたような理想的なスローライフを思い描いていたわけではないけれど、なんだかこれでは都会にいた時よりよほど汗水垂らして、頭をフル稼働して働いているような気がする。ただ、そのことがちっとも嫌じゃないし苦じゃないのが不思議だ。苦じゃないどころかめちゃくちゃ楽しくてしようがない。やればやるほど出来ることが増え、行動の幅も広がる。やりがいが搾取されるんじゃなく、確実に報われる生活がここにはある。

というわけで、毎日忙しくやってます。ヴァヤシコフさんは向こうから僕を呼び止め、駆け寄ってきて話しかけてくれるようになった。キャンベラさんはつい先日、たまたまそのとき持っていたナシ1個をあげたお礼にとレインコートをくれた。たぬきちさんによれば、今度チキンライス島に新しい住人が3人も移り住みたいという届け出があったそうだ。そのたぬきちさんに頼まれ、転居者たちが住む家を建てる土地を工面したり、必要な家財道具の一部をDIYで作ったりしている。

一代でたぬき開発という会社を起こし財を成してきた人だけに(知らんけど)、たぬきちさん人使いが荒い。さすが島の自称管理人だけのことはある。僕も島民代表として少しでもお役に立てればいいなあと思っている。

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