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映画『キングダム』ネタバレ感想~長澤まさみのむっちり感と大沢たかおの「んふっ♡」にやられる

映画「キングダム」公式サイト

だいぶ時間が経ったけど映画『キングダム』を見たので感想を書いておく。これめちゃめちゃ面白かったです。文句なし。あ、ひとつだけ文句というか不満があるとすれば、見終わってすぐ続編が見たくなることくらいで、内容に関してそれはもう120パーセント大満足だった。

ちなみに原作の漫画は未読。原作が漫画であることすら割りと直前まで知らなかった。その点はチケットを買う段階で若干不安が過ったけれど、映画を見たらそんなの全然関係なかった。というか、原作との違いやどっちが面白いとか気にならなかったぶん、フラットな気持ちで楽しめてかえって良かったんじゃないかなあ。

むろん原作を読んでいたらより楽しめたということはあるだろうし、その逆パターンもしかり。いずれにしても今となってはいかんともしがたい。もっとも漫画を1ミリも読んでなかったばかりか、映画化にもおよそ興味なかったから、本来スルーしていてもおかしくなかったのだ。たまたま時間が空いてふらりと立ち寄ったシネコンで、それほど待つことなく見られそうだったのが『キングダム』だったという。

なので実は出演俳優もそのときポスターをぼんやり眺めて知った人が多かった。予告編をおそらく劇場のスクリーンで一度や二度は目にしていたと思うが、人は(というか僕は)、はじめから食指が動かないものに関してほとんど意識の底に留め置かない習性でもあるのだろうか。

山崎賢人さんかあ、ヤマザキランチパックの人だな、とか。吉沢亮さんに至っては、えっ、どんな人? なんに出てた人? というくらいのおぼつかなさだった。ふたりに比べまだ長澤まさみさんはましな方で、熱心なファンというほどではないが好きなタイプの女優さん。大沢たかおさんは『仁』の人というイメージが強く、でもその『仁』を僕はちゃんと見たことがない。あとの出演者たちについても推して知るべしである。

まあそんなわけでごちゃごちゃ長々言い訳しましたが、『キングダム』は想像の遥か上をいく素晴らしい作品だった。と、そのことだけは胸を張って断言できる。


映画を見た直後の僕のツイートがこれ。『キングダム』の感想としてブログに書きたいことのほぼ全部が集約されているといっても過言ではない。

いちおう念のため簡単な説明をしておくと、映画『キングダム』はヤングジャンプという漫画雑誌で連載中の同名作品の実写化である。群雄割拠の時代の中国を舞台に、後に中華をはじめて統一した秦の始皇帝の若かりし頃、幼名をえい政(えいせい)というが、そのえいせいと奴隷の身分から這い上がってやはり後に天下の大将軍となる信(しん)の友情と冒険の物語だ。

原作の漫画はコミックで既に50巻以上も発売されているが、映画はそのうちの1~5巻あたりまでらしい。まだほんのさわりもいいところだ。箱根駅伝でいえば往路、大手町の読売新聞東京本社前をスタートし、2区の鶴見中継所にようやく到着したばかりの頃だろうか。しかも原作漫画でさええいせいと信の中華統一の夢は、まだ道半ばだというから何をかいわんや。イワンのばかである。

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今回映画化された場面は、王宮を異母弟に乗っ取られて間一髪脱出に成功したえいせいと、運命に導かれるように出会った奴隷の信とが、途中仲間に加わった河了貂(かりょうてん)や山の王・陽端和(ようたんわ)らとともに再び王宮に乗り込み、壮絶な闘いのすえ見事玉座を取り戻す、という血湧き肉躍るストーリーだ。あ、ネタバレしちゃいましたが、まあそれ知ってても知らなくてもほとんど問題なく楽しめるからご安心を。

笑っちゃうのが、最初僕はてっきり主役の山崎賢人さんが若かりし頃の始皇帝えいせいを演じているものとばかり思って見ていた。でも実際はそうじゃないんだよ。山崎賢人さんは主役だけども王の役ではなく、王の家臣で後の天下の大将軍となる(という夢を抱いている)信の方だった。そもそも漫画の主人公もえいせいではなく信なんだよね(? たぶん)。これちょっとした驚きというかサプライズ人事だったなあ。

原作漫画を知らないというのはまさにこういうことを言うのだろう。ついでに、山の王・陽端和(ようたんわ)がものものしく登場するシーンで、楊端和は実は仮面を被っていて声もボイスチェンジャーでわざとくぐもった声に変えてあったのだが、その謎のベールに包まれた山の王がいよいよ仮面を脱ぐと、なんと女性だったという。

山崎賢人さんの信が思わず「あ、女……?」と小さく驚く場面があって(でもだからと言ってとくに態度を変えない)、僕もね、このとき山崎賢人さんといっしょに「あ、女の人だったのか……」とちょっと驚くと同時にもうひとつ、「あ、長澤まさみがここで出てくるのかあ!」と、二重にびっくりしたのだった。よもや長澤まさみほどの人気女優がキャストに名を連ねていながら、そのことすらすっかり忘れていようとは。

その長澤まさみさん、先刻のツイートにもあるとおり、二の腕と太股が白くむっちりしていまにもはち切れそうだった。すいません、けっしていやらしい意味じゃなく、どうしてもそこに目が吸い寄せられたので。ところがいざ戦闘になると彼女のその長い手足が鞭のように軽やかにしなり、また騎乗姿の長澤さんも、いかにも山の王然と堂々と凛々しくてすごくかっこよかったなあ。

あと、吉沢亮さんは一人二役の難しい配役だったけれど、その二人を見事に演じ分けていた。ことに王えいせいのクールさと時折見せるツンデレっぷりには男の僕でもぐっとハートを鷲掴みされた。山崎賢人さんの信が、正直ちょっと辟易するくらい過剰な熱血漢タイプで、(あえてそういうふうに演じているのだろうが)まるで漫画みたいに(漫画だけど)がなり立ててばかりいるものだから、好対照にえいせい役の吉沢亮さんの落ち着いた演技が、場の浮わついた空気をぐっと引きしめていたように思った。

だいいち吉沢亮さん、素がすっげえ美形だよね。おい、まさかいまごろかよ、と大ひんしゅく買いそうだけど、事実うっとりするほどの美形である。それから、河了貂(かりょうてん)役の橋本環奈さんはとってもキュートでしたね。役柄自体(たぶん)男の子か女の子かあいまいなキャラは、全体的に前のめりなドラマのなかの良いアクセントでありユーモアの部分を担う貴重な存在だったと思う。

えいせいの異母弟・せいきょう役の本郷奏多さんも、冷徹で憎々し気な敵役をいかにも楽しそうに演じていてよかった。高嶋政宏さんや宇梶剛士さんや石橋蓮司さんらのベテラン陣は、各々与えられた役にすっかりなりきっていた。そんななかでも天下の大将軍・王騎(おうき)を演じた大沢たかおさんが、なんといっても僕的にはベストアクターだったなあ。

これは後で知ったことだが、大沢さんの台詞の端々に「んふっ」とか、いわゆるおねえ言葉が頻繁に出てくる。はじめは「ええーっ?」と思ったけれど、あれ原作に忠実に寄せているらしのね。不思議なもので、「んふっ」をなんども聴いてるうちだんだん病みつきになってきて、ついには王騎将軍のとてつもない凄みや底知れぬ威圧感がその鼻に抜けるような「んふっ」に収斂され、一種の風格として感じられるようになってきた。ほんと素晴らしいの一言でした。

役の上でもご本人も、最後においしいところを全部かっさらっていった大沢たかおさんだが、この役を演じるにあたってそうとうな肉体改造にも取り組んだのだとか。僕が知ってる大沢さんからするとあきらかに体がひとまわりデカくなっていたのはそのせいだろう。役者魂というのがどういうものか、存分に見せてもらった気がする。大沢たかおさんの王騎が見られただけでもお金と時間を払ってこの映画を見た甲斐があったというものだ。

監督は佐藤信介さん。脚本に原作者の漫画家・原泰久さんも加わっている。この映画の世界観やストーリー・登場人物のキャラクター等については、当然原作があってのことなので、どこまでが元々の漫画の手柄なのか、あるいはどこからが映画オリジナルの手柄なのか、原作未読の僕には判断つきかねることだ。もっとも一観客としてはどちらの手柄でもいっこうに問題ない。

ただしひとつ言っておきたいのは、実写映像はスケール感があって僕はとてもよかったと思っている。中国ロケが功を奏しているのと、これ貶してるわけじゃないんだけど、最終的に狭い局地戦に落とし込んでいるところとか、そういう戦略的な演出の上手さが光っていた。下世話なはなし、製作費がかかっているようで案外低く抑えることが出来ているのではないかなあ。

敵方の迎え撃つ8万の軍勢を見せられ、でも城内には結局そんな大軍は入れないから、城壁の外でえいせい軍+山の民の軍勢+(後から考えると王騎軍もそこに荷担していたかも知れない)が、せいきょう軍の8万と凄絶な闘いを繰り広げているはずなんだけど、そこはいっさい見せない。運動会の騎馬戦と同じで、全体の戦況が劣勢だろうと優勢だろうと、先に敵の王の首をとったチームが勝ちなのだ。

そういうシンプルでわかりやすい構図が成功の大きな要因なのだろうと思う。『キングダム』面白かったです。冒頭に書いたとおり、はやく続編が見たい。いまさら50巻以上もあるコミックを読み切るエネルギーは僕にはないので、是非このまま映画をシリーズで見せてもらいたい。期待してます。 

キングダム コミック 1-54巻セット

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