ダイエットなどの影響で、糖質制限という言葉自体は世間に急速に広まり、スーパーやコンビニで買える食品のなかで、どういうものが糖質が高いのか、という知識もだいぶ一般的になってきた。
そこで今回は、糖尿病を患い、その治療法として糖質制限食事療法を生活のなかに取り入れて4年になる僕が、いまでこそ知っているが最初は「えっ」と驚いた、「意外と糖質が高い食品10選」というのを勝手に地味に選んでみた。
なお、誤解のないようにはじめに書いておきますが、これは単純に100g当たりの糖質が高い食材ベスト10というわけではありません。それと、どんなに糖質が高いものでも常食として食べる量が微量であれば、体に与える影響は少しだけで済むし、反対にどんなに糖質が低くても大量に摂取すれば、それは糖質過多という結果になるということです。
- 栄養価は抜群に高いが糖質も高いバナナ
- 栄養成分がバランスよく豊富に含まれる牛乳
- 健康食品の代名詞のようなヨーグルト
- コーンフレークを牛乳と一緒に食べると
- 西洋かぼちゃはたしかに甘いと言えば甘い
- トマトは野菜か果物か、健康食品かそうでないか
- ピーマンの色の違いは?
- おでんの具材に欠かせない焼きちくわ
- ナッツのなかの危険人物
- 玄米ごはんならさすがに健康にいいだろうという油断
- 番外編:ビーフンとか春雨とか
- おわりに
栄養価は抜群に高いが糖質も高いバナナ
朝バナナダイエットというのがひところもてはやされたのを覚えている。バナナは栄養価が高いわりには、100g当たりのカロリーはごはんの約半分の86kcalと実はそれほど高くない。腹持ちもいいし、手軽に買えて手軽に食べられる。スポーツのときなどにはもってこいの食材だ。美容にもいいらしいしね。
一方、糖質はというと、100g当たり21.4gで1本の可食部がおよそ120gだとして、25.7gの糖質を摂取することになる。これは糖質制限的には完全にNG食品だ。バナナに限らず、果物全般糖質がやや高めなので、食べないという選択肢ではなく一度に食べる量を考えた方がいいかもしれないですね。
栄養成分がバランスよく豊富に含まれる牛乳
牛乳は骨をつくる。なので子どものころから飲め飲めとうるさく言われてきた人もきっと多いはず。スポーツ選手など体格が大きい人はこぞって、子どものころから毎日牛乳をたくさん飲んだという話が、まことしやかに伝えられている。
でも意外と糖質は高いのだ。たとえばコップ一杯200gとして、まあ実際にはメーカーにもよるが、一般的には9.6gの糖質です。コップ一杯の牛乳なんて、あっというまに飲み干しちゃいますよね。2~3杯一気にいける。なので案外油断できない。
それとケーキやクッキーやプリン、料理などにも含まれている場合もあるので、知らず知らず牛乳を摂取しているということもあるでしょう。
健康食品の代名詞のようなヨーグルト
ヨーグルトも、ちょっと注意が必要かも。100g当たりの糖質は4.9g。もちろん無糖で。だけどヨーグルト100gって、実際食べたらほんのちょっとの量しかないからねえ。それを承知で、僕は朝食にときどき小さなココット一杯およそ50gのヨーグルトを食べる。
できたら、そこにイチゴジャムとか混ぜて食べたいと思うけど、さすがにそれは我慢する。コンビニで売っている砂糖を使った甘いヨーグルトの糖質は当然もっと高い。糖質制限で食べるならプレーンを。
コーンフレークを牛乳と一緒に食べると
忙しい朝にはコーンフレーク。いまはいろいろなバリエーションもあり、日本人の朝食の風景として完全に溶け込んだ感がある。そのコーンフレークは、もとはとうもろこしの粉を水で練ったものなんだから、糖質が高いのもうなずける。
それに牛乳をかけて朝ごはんにすれば、これは結構な糖質になるだろう。ちなみに、コーンフレークを一回に25g程度食べるとして(牛乳はのぞく)、20.3gの糖質量だ。実際にはプラス牛乳(+牛乳)と考えるべきでしょうね。いかにも健康によさそうなんだけどね。
西洋かぼちゃはたしかに甘いと言えば甘い
野菜は糖質制限的にどうかというと、大部分の野菜はOKなのだが、なかには食べる量に注意した方がいい野菜もある。その代表がかぼちゃ。甘いと言えばたしかに甘い。100g当たりの糖質は17.2g。同じ野菜でもキャベツは3.4g、ブロッコリーに至っては0.8g。もちろん大きさも重量も違うし、食べる量にもよる。
一度の料理で半分の50g煮炊きして食べるとして、8.6gの糖質だ。あと、注意すべき野菜はいわゆる根菜類といわれるもの。れんこん、ごぼう、ニンジンなど。切り干し大根は、100g当たり47.0gの糖質で、まあせいぜい10g食べたとして4.7gと、あたまのなかで計算しながら食べるといいかも。
トマトは野菜か果物か、健康食品かそうでないか
トマト、おいしいですよね。いかにも健康によさそう。そのトマトの糖質はというと、100g当たり3.7g。と聞くとそれほど高くないような気がするけど、だいたいトマト1個の重量は150~200gある。仮に小さめの150gのトマトだとして、糖質は5.6g。夏場はトマト1個くらい平気でべろりと食べちゃう。
そして、糖質制限的に問題なのが、トマトジュースや野菜ジュースの存在だ。こういうの、野菜不足だからとコンビニで弁当やサンドイッチなんかといっしょに、罪滅ぼしのように買って飲むよね。僕も以前はほんとよくやった。でもそういうジュースのなかには保存のために砂糖がいっぱい含まれているものもあるから要注意ですよ。
ピーマンの色の違いは?
10選というわりには細かい話になるが(笑)、そもそも10選という数字自体にはそれほど意味がないので。で、ピーマンの話、ふつうの青いというか緑色のピーマンは、糖質も100g当たり2.8gで、それほどたくさん食べるものでもないので、1個くらい食べてもおそらく糖質1gにもならないと思う。
ところが、赤や黄色のピーマンとなると話は少し違ってくる。って僕、そうとう大げさに言ってるんだけどね。しかもこの赤や黄色のピーマンって、実際にはいわゆるパプリカのことで、正しくはピーマンではないですが。
パプリカの糖質は、100g当たり5.6くらいで、パプリカ1個はおよそ150gだからその半分の75gを一度に料理に使ったとしても、糖質は4.2gになる。これ結構な糖質量だ。パプリカを料理に加えるだけで一皿が色鮮やかになるので僕もよく重宝に使う。適量を心がけて使いたい食材です。
おでんの具材に欠かせない焼きちくわ
これからますます寒くなると、おでんが恋しくなります。おでんといえば、卵や大根、こんにゃく、昆布、と糖質制限の強い味方なのだが、ちょっとだけ注意が必要なのがいわゆる練り物とよばれる具材だ。
野菜天やごぼう天、焼きちくわなど。これらは野菜や魚のすり身を延ばしたもので、野菜や魚だったら糖質制限的にOKじゃないかと、つい思ってしまうが、これら練り物には砂糖やでんぷんが含まれているのだ。なのであまりたくさん食べると糖質が高くなるおそれがあるので注意が必要かも。同じ理由で、僕も大好き魚肉ソーセージなんかも要注意。
ナッツのなかの危険人物
糖質制限中の間食として一般的に認知されているのがチーズとナッツだ。このナッツのなかにも、実はちょっとした危険人物が潜んでいる。人物というかナッツだけど。そいつはカシューナッツだ。糖質は100g当たり20g。アーモンドの9.3gと比較してもその糖質の高さがわかる。ミックスナッツの袋を買った場合、くれぐれもカシューナッツばかりを選んで食べたりしないように。
ちなみにミックスナッツのなかの糖質高いランキングは
- カシューナッツ
- ピーナッツ
- ピスタチオ
- アーモンド
- マカデミアナッツ の順です
玄米ごはんならさすがに健康にいいだろうという油断
白いごはん、150g(ごはん茶碗一杯)当たりの糖質55.2gというのは、もうだいぶ有名になった。それと比べて玄米ごはん茶碗一杯150gに含まれる糖質は、51.3gです。あれ? ほとんど白いごはんと変わりない!
ということですよ。もちろん糖質だけがすべてではないことは、ごはんにかぎらずどの食材・食品についても言えることだが、こと糖質に限って言えば、案外白いごはんも玄米ごはんも似たようなものだったというわけです。なので、白いごはんを食べるなら玄米ごはんの方がいい、ということは言えるかもしれないが、玄米ごはんを食べているから糖質制限ダイエットだ、とは間違っても言わないように。
番外編:ビーフンとか春雨とか
何度思い浮かべてもいまだに意外な感じがするのは、ビーフンとか春雨などの麺なのか米粉なのかよくわからない食べもので、成り立ちを考えれば糖質が高いのは納得できるのだが、それにしても、とてもそんなふうには見えないのになあと思ってしまう。
ビーフンなんて、100g当たり79gの糖質なのだ。7.9gじゃないよ、桁が一ケタ違う。ビーフン100gなんてあっという間に食べてしまうけどね。まあそういうことで言えば、日本蕎麦とかそーめんとかも、さっぱりして糖質高そうには見えないんですけどねえ。
おわりに
くり返しますが、糖質だけの高さ(100g当たりの)10選というかベスト10を決めれば、これとはまったく違うもにになるのですが、この10選は僕が糖質制限をはじめるにあたり、「あれ? この食材や食品、意外と糖質高いんだなあ」と驚いた覚えがある10選ということで地味に選びました。
『五訂増補日本食品成分表』と、それを参考にした以下の本から必要なデータはお借りしました。
糖尿病の合併症で網膜症を煩い失明の危機の淵に立って決意した糖質制限な日日