ヒロシコ

 されど低糖質な日日

映画『マダム・マロリーと魔法のスパイス』感想

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『マダム・マロリーと魔法のスパイス』を見に行く。いや、よかったですよ。映画見ていてなんとなく話の行く先が読めてきたとき、「な~んだ、ツマラナイな」となる映画と、「こういうふうになるといいなあ」と思いながらも裏切られていい結果になる映画と、逆にがっかりする映画と、ほんとうに予想どおりストーリーが展開して非常に心地いい映画とがあるような気がする。

まわりくどいいい方をしましたが、この映画は、(僕的にですよ)「あーこういうふうに話しが進むんだろうなあ」と想像しながら、でも「ほんとうにそうなるといいなあ」と心のどこかで思っていて、思ったとおりの話と結末で、なんでかわからないけどそれがすごくしあわせな感じがして泣いちゃった。

う~ん、なんかうまくいえない(笑)。けど、面白いのはまちがいないです。南フランスの、のどかで小さな田舎町が舞台。マダム・マロリーが経営するミシュラン1つ星レストランの目と鼻の先に、インドから移民してきた一家が経営するインド料理店が店を開く。

インド料理店にはハッサンという天才料理人の次男がいて、マダム・マロリーの店にはマルグリットという女性副シェフがいる(きれいなね)。インド料理店のオーナーは気難しい頑固一徹なパパで、マダム・マロリーも頑固さではインド人一家のパパにぜんぜん引けを取るどころではない。

あとは、まあ、僕やあなたが予想するとおりの話になっていくわけですが、僕はさっきも書いたけど不思議とそれがツマラナイとは思わず、むしろ素直にそうなってくれるといいなあと祈るような気持ちで見ていたから、展開にも結末にも満足するんですね。どうなるかは書きませんが。

う~ん、なんだかなあ、この気持ちをうまく伝えたくてしょうがないというか、それさえ伝えられたらこの映画の感想はもうそれで十分なんじゃないかと思うんだけど、ごめん、調子悪いのかもともと筆力がないのか、十分に伝えられそうにないわ。

いや、ちゃんと書けば、インド料理のスパイスがどうのこうのとか、フランスの深刻な移民問題を笑いと涙のオブラートでやさしく包んでどのこうのとか、わかり合えない相手とでもつきあっていくうちにいつかはきっとわかり合えるようになるうんぬんかんぬんとかね、あるんだよ。

そしてもちろん、アカデミー賞女優のヘレン・ミレンさんとパパ役の男優さんんの見事な意地の張り合いは、料理以上に舌を巻くし、その料理もおいしいそうなメニューがいっぱい出てくる。こういうの好きな人はきっと楽しいと思うよ。あと、俗物だけども人がよさそうな町長の存在とか、そういう人物配置もぬかりないしね。

まあでも、この映画のなにがいいかって聞かれたら、しつこいようだけど僕の個人的な感情なんだけどね、ふたりの関係がそういうふうになって、あっちのふたりの関係もそんなふうになって、あの人がこういう感じで最後にはやっぱりこういうふうになるといいなあ、と映画を見ながら祈っていたほぼそのとおりになったことが、すごくしあわせだったのだ。

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