ヒロシコ

 されど低糖質な日日

2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『死ぬほど読書』(丹羽宇一郎)を読んだ感想~いい本だとおすすめできない理由があるので人にはおすすめしませんが

『死ぬほど読書』を読む。著者は丹羽宇一郎さん。伊藤忠商事の社長・会長など歴任されたあと中華人民共和国駐箚(ちゅうさつ)特命全権大使を務めた方。現在は早稲田大学特命教授。その丹羽さんによる「死ぬほど」の読書論。かと思って読むといささか肩透か…

『蜜蜂と遠雷』(恩田陸)を読んだネタバレ感想~はじめてのkindle本がこれで大正解だった

恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』を読んだ。タイトルにあるとおり僕にとって初めて読むkindle本。正確にいえばスマホのkindleアプリでは青空文庫の冒頭部分だけとか、恣意的に抜き取った部分をパラパラ飛ばし読みで、とかいうことは過去にもあった。が全編とおし…

『新感染ファイナル・エクスプレス』ネタバレ感想~ゾンビと遷ろうメタファー

ヨン・サンホ監督の『新感染ファイナル・エクスプレス』を見た。素晴らしい! 面白い! 大傑作といってもいいんじゃないかなあ。とんでもなく怖いしなぜか笑えるし随所で泣かされる。まさに五感を刺激されまくりのハイスピードムービーだった。感嘆すべきB級…

『渡良瀬』(佐伯一麦)を読んだ感想~昭和のおわりから平成のはじめ「自粛の季節」の私小説

~佐伯一麦さんの『渡良瀬』を読んだ。東京で電気工をしていた主人公の南條拓。長女の緘黙症(特定の場面や条件で話せなくなる症状)と長男の川崎病そして自身のアスベスト禍による後遺症に悩まされつづけ妻の幸子はかつて拓が文芸誌の新人賞をとったことも…