ヒロシコ

 されど低糖質な日日

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

映画ケン・ローチ『ジミー、野を駆ける伝説』感想

ケン・ローチ監督『ジミー、野を駆ける伝説』を見に行く。イギリスからの独立とその後に締結された条約をめぐる内戦で国を追われていたアイルランドの元活動家ジミー・グラントンが、10年ぶりに祖国の地を踏む。故郷の村では母親やかつての恋人ウーナや仲間…

松家仁之『優雅なのかどうか、わからない』を読んだ感想

松家仁之さんの『優雅なのかどうか、わからない』を読む。舞台は東京の吉祥寺。主人公は出版社勤務で離婚したばかりの40代後半の男。代々木のマンションと高級家具ひと揃えを別れた奥さんに譲り、自分は家を出て井の頭公園に面した中古の一軒家を賃貸契約す…

ジョン・ウィリアムズ『ストーナー』感想~自分だけの宝物にしておきたい生涯の一冊

ジョン・ウィリアムズの『ストーナー』を読む。作品社のこの本の装幀は無垢で飾り気がなく偏屈そうでそのくせどこか気高い。まるで主人公ストーナーの生き方そのもののようだ。ページを繰る指先が震えていたのは、この冬いちばんの寒さが部屋の暖房をほとん…

ジュンパ・ラヒリ『低地』を読んんだ感想

ジュンパ・ラヒリさんの『低地』読み終る。短く美しいセンテンスで丁寧に編み上げられた心地いいリズムに酔いしれる。図らずもひとつの家族となってしまった人々のずしりと重い歴史の現場に長いこと立ち会った気分だ。インドはカルカッタで育った兄弟スバシ…

ケイト・モートン『秘密』を読んだ感想

ケイト・モートンさんの『秘密』(上)(下)読み終る。ぐいぐい引き込まれた。上手いなあ。面白かったです。面白かったけど「これミステリーかなあ?」とも思った。いわゆるそういうジャンルに括られてますよね。たしかに冒頭に殺人事件が置かれている。そ…

映画『6才のボクが、大人になるまで。』感想

『6才のボクが、大人になるまで。』を見に行く。昨年末から評判がいいのは見聞きしていたが、年をまたいででも見に行くつもりでじっと目と耳を塞いできた。ようやく肩の荷が下りてホッとした。思ってたよりずっと長い上映時間だったけど、いつまでもスクリー…